この記事は現在編集中です。書きあがり次第、随時更新してまいります。
GAME1
T1はGENの主要ピックを全てBAN。GENはヨネではなくザヤをBANしてヨネを開け、使えるなら使ってみろという姿勢を見せた。するとT1は自信満々にヨネを即ピックし、GENはスカーナーをピック。T1はアッシュレナータのボトムデュオを完成させ、GENはサイラスで上半身重視の構成を整えた。最終的に、T1は全体的にバランスの取れた突進構成、GENはサイラスとジグスのダブルAP構成となった。
開始2分でグラガスが3人のダイブを耐え抜き、T1にとってはこの上ないスタート。Keriaの巧みなマップコントロールも合わさり多くのゴールドを得たT1は、グラブを5つ獲得。ただ、続く集団戦では盗んだアローが突き刺さり、ヴァイを倒してGENがファーストブラッドを取った。
試合が大きく動いたのは23分。ドラゴンを狙うGENに対してT1がバロンを取る駆け引きを仕掛ける。急いでGENが止めにかかるも間に合わず。3:1の交換で集団戦を制する。この結果、それまで微差でリードしていたゴールドが逆転した。
ここでついた金銭差をうまく活かし、2体目のバロンも合わさり素晴らしいスノーボールを披露。最後は28分に5つ目のドラゴンファイトでT1がドラゴンを取ったうえで5:2でエースを決め、30分で試合を終えた。
この大舞台でT1が天敵GENを圧倒した。サポートの圧倒的な差とバロンの駆け引きでT1が1セット目を獲得し、春の決勝以来6ヶ月ぶりに勝利を収めた。
Lehendsのミスが続き、集団戦の構図が崩れたのがGENの大きな敗因であった。T1としては、相手DPSの核であるジグスを戦闘から隔離できたのが大きな勝因であった。バロン前の集団戦ではグラガスが、試合を終えるドラゴンの集団戦ではヴァイがジグスに飛び込んで、DPSを無効化。T1の主力にダメージを与えることができず、サイラスとレネクトンはヨネとアッシュのDPSに勝てなかった。
この試合の敗北によりGENはBANPICKの緊急工事が必要になった。ヨネを解禁して相手に渡す戦略を取ったが、Fakerがヨネを使ってダメージ量1位のキャリーを果たし、計算が狂ってしまった。
ちなみに、Gumayusiは再びノーデスを記録し、ノーデス記録を8試合に延ばした。
GAME2
GENは前のセットで脅威となったGumayusiを警戒し、カリスタ、ザヤ、さらにアッシュまでのADC 3バンを実行した。T1はレッドサイドでの基本バンであるヨネ、オーロラ、スモルダーをバンした。GENが1ピックでスカーナーを選ぶと、T1はGumayusiの切り札であるケイトリンを即座にピックし、Onerの苦い思い出であるキンドレッドを続けて選んだ。GENは突撃構成のカウンターであるキンドを意識しつつも、ジャックスとアーリを選び、前の試合に引き続き上半身構成を整えた。全体的にGENは相手の構成にカウンターされているものの得意の突っ込んでいく構成を選択し、T1は構成的にはカウンターできているものの、あまり好んでいないピックを選んだ。
この試合は序盤からGENが動かしていく。GENが4人でボットダイブを仕掛けた際、補助に入ってきたKeriaのブラウムを先に倒してファーストブラッドを獲得し、さらに粘り強く抵抗していたZeusもギリギリで倒して大きな有利を築く。
オブジェクトでもGENが先制し、何とか取れそうだったドラゴンすらCanyonに奪われ、あらゆる面でGENが有利を取った。
その後もGENは優位を一切譲らなかった。バロン前のブッシュで待ち構え、ブラウムをキャッチし、バロンへとつなげる。続くチームファイトでは、Canyonが完璧なインペイルを決めたことで4対0の勝利を収め、結局1万ゴールドの差をつけた。この過程でGumayusiの8セット連続ノーデス記録が途切れてしまう。T1が一切抵抗できない中、GENが全てのオブジェクトをとってGAME2を締めくくった。
GAME1とは正反対に、GENがWorldsの舞台でT1を完膚なきまでに叩きのめした。この試合は序盤の動きですべて決まったと言っても過言ではない。GENがT1の動きを察知して一手早く動き、バックアップに来たブラウムを先に倒し、マオカイを孤立させた後、綺麗なダイブで大きな利益を手に入れた。T1の構成自体が逆転しにくいものであったため、この時点で試合がほぼ決まってしまった。
GENにとって、最初のダイブで大きな成果を上げたこともよかったが、前のセットでバロンラッシュによって逆転された経験を活かし、バロンT1に隙を与えなかったことが大きな収穫だった。逆転の余地を全く与えず勝利することができた。
一方のT1は、もし攻撃的な構成を採用していれば、GENの隙をついてチャンスを伺えたかもしれない。しかし、T1が選んだのは典型的な受け身の構成であったため、逆転のきっかけさえも掴むのが難しく、無力に試合を失ってしまった。特にT1にとって致命的だったのは、1ピックで大胆に選んだケイトリンが本来の価値を発揮できなかったこと。キンドレッドも試合の流れに置いていかれ、2ADCの力を十分に発揮する前に試合が決まってしまった。
GAME3
T1は第1セットの勝因となったアッシュ・レナータのボットデュオとグラガスを再度選択。GENはノクターンを優先してピックしてノクターン・アーリの構成を作った。結果的に、1ティアとされるスカーナーはバンもピックもされなかった。
開始早々、GENの戦略が刺さる。グラガスが不用意に歩いてきたところを、ChovyのEフラッシュで狙い撃ち、開始早々ファーストブラッドでエズリアルが涙スタートという大事故が発生した。
しかし、T1はグラブファイトでやり返す。1回目のグラブファイトではRのコンボで相手を追い返し、3体獲得。2回目のファイトでは、GENが狙った挟み撃ちをT1が読み切りカウンター。レナータのRで崩れたGENをFakerが刈り取り、6グラブと3000ゴールドの有利を生み出した。
そこからは、T1のスノーボールが止まらない。ヘラルドを取り、タワーを守りたいGENごとタワーを粉砕。キャッチを成功させ続け、ゴールド差を倍の6000に拡大させた。
GENはなんとかバロンを渡すまいと5分以上粘ったものの、最後にはPeyzの一瞬のミスをOnerが見逃さず、GENの陣形は崩壊。T1が大勝し、マッチポイントを取得した。
GAME2で完敗したT1だったが、序盤のミスを除いては一方的にGENを叩き、圧勝した。GENの敗因としては、2回目のグラブファイトでの敗北。GENはアーリがボットにいるうえテレポートもなく、すぐには合流が難しい状況であったにも関わらず仕掛けてしまったこと、これが大きな間違いだった。ここで大勝したT1が大きなアドバンテージを押し広げ、スノーボールが止まらなくなってしまった。
GAME4
GENはここまでキーとなっていた、アッシュを1stピック。T1はヴァルスをピックし、続けてスカーナーを選択。追い詰められていたGENはCanyonのニダリーに託すことを選択。MIDにトリスターナを置くことで、Wマークスマン構成を選んだ。
対するT1はジャックスをピックする。GENはジャックスへの対抗手段としてポッピーをピックし、最後にマオカイを選択してGENスタイルのダブルマークスマン構成を完成させた。これに対しT1はパイクを再び起用。Keriaに託すことを選んだ。
ゲーム開始直後からKeriaが暴れる。GENのインベードを察知し、ブッシュにいたアッシュをQで引き寄せ、フラッシュを奪うことに成功。さらにはレベル2先行で、マオカイのフラッシュも奪ってしまった。
サモスぺ有利も活かし、T1が攻め立てる。6分頃、スカーナーがニダリーを捕まえる。FakerとCanyonの読み合いにFakerが勝利し、ファーストブラッドを獲得する。
T1は攻め手を緩めない。パイクを起点とした動きで何度もマオカイをピックアップ。14分頃、GENのヘラルドタッチに対して、ヴァルスがRで奇襲しマオカイをバーストする。なんとかKiinが鉄槌で2人を飛ばしてヘラルドは取れたものの、T1はその隙にタワーを叩き、タワー有利を確かなものにした。続く17分頃にも、ヴァルスとアーリが再びマオカイを倒し、マオカイは0/4/0になってしまった。
以前試合はT1ペース。GENはギリギリの綱渡りでMIDアウターを取り切り、キャッチアクションを成功させるもT1は素早くカウンター。少数戦の勝利からバロンに繋げることに成功した。23分頃、有利を確固たるものにするためバロンバフを活かし、トップセカンドタワーを狙うT1。ただ、ポッピーがULTで2人を飛ばしたことで、浮いたジャックスと突っ込んだパイクが倒され、GENが2:1のトレードなんとか流れを抑え込んだ。
ゴールド差は5000以上。敗退がすぐそこまで来ていたGENだったが、ここでMSI王者の風格を見せる。27分頃、ドラゴンを巡る戦いでT1がドラゴンを確保し、3スタックを達成するが、ここでKiinがまたしても素晴らしい鉄槌でアーリを飛ばす。さらには裏取りのジャックスをChovyのトリスターナが完璧な対応でさばき切り、なんとGENが5:1でエースを獲得。バロンを獲得してグローバルゴールドが逆転した。
そして起きる最後の集団戦。32分頃に差を埋めきったGENが奇襲を仕掛け、マオカイのRを避けようとしたFakerがKiinの鋭いヒロイックチャージで倒される。万事休す…かと思いきや、Peyzのポジショニングミスを咎めるOnerの完璧なインペイル。フラッシュを抱えていたにも関わらず捕まってしまい、一気にGENが不利な状況へ。最後にはパイクが逃げるトリスターナを追い詰めて倒し切り、ネクサス破壊まで繋げた。これで、T1がGENとの10連敗を断ち、積年の恨みを最も重要な場面で晴らして決勝進出に成功した。
非常にGEN不利だった中、Kiinがポッピーでスーパープレーを連発してゲームを巻き返す位置まで持ち上げたものの、最後の集団戦ではKeriaがパイクで見事なグラブを成功させ、ひっくり返りかけたゲームを再び覆した。
T1は最も重要な瞬間、最も大切な舞台でついにGENという壁を超えることに成功した。これまでの対戦成績はまるで意味がないかのように、世界大会のT1として生まれ変わっていた。2015年から2017年に続き、再び3年連続で決勝進出という大記録を達成した。
T1の選手たちは皆、自分の役割をしっかりと果たしていた。大舞台でいつも頼もしい姿を見せるGumayusi-Keriaデュオは、BANピックで集中的な警戒を受けながらも、ずっと存在感を示して勝利に貢献した。特にGumayusiは全セットで2BAN、多くは3BANまでされるほどの徹底したマークを受けながらも、レーン戦から集団戦まで目覚ましい活躍を見せた。Zeus、Oner、Fakerもまた輝くプレーを披露し、誰一人として欠けることなく圧倒的な差をつけていた。
また、T1のコーチのBANピックも光っていた。GENの後半ゲームプランの核となるチャンピオンであるスモルダーは絶対に渡さず、さらにアッシュを素早くGumayusiに渡すことで、ソロレーナー同士の相性において優位に立つことができた。
GENはベスト8に続いてKiinが奮戦したが、逆転には至らず、またしても決勝進出に失敗して苦い歴史を続けることとなった。特に今回は、これまでボコボコにしてきたT1にやられたことが痛手だった。
GENの最大の敗因はボットデュオの不振だろう。T1のボットデュオに対してこれまで優位を保っていたPeyz-Lehendsだったが、今回はGumayusi-Keriaに文字通り完全に打ち砕かれた。特にLehendsは4セットで合計19デスを記録し、Peyzも決定的な場面でフラッシュ反応が遅れ、何度も即座に倒される場面が繰り返された。
Chovyもまた、従来のレーン戦の力を発揮できず、Fakerの成長を許してしまっていた。CSは順調だったが、メイキングやクラッチプレーにおいてFakerの方が動けており、チームの不利を覆すことはできなった。Canyonもスカーナーを好んでいないことがBANピックで影響し、あえて選んだノクターンも成功しなかった。Kiinは4試合を通じて安定したパフォーマンスを見せたが、局面をひっくり返すには一人の力では限界があった。さらにベスト8のFLY戦で接戦を演じてしまった代償として、スモルダーという隠しカードが露呈し、その他戦術もBANによって封じられたことも致命的だった。