プロリーグの未来
LECの財政悪化の最大の原因はフランチャイズ制である。
Riotは高額な参加費と引き換えに、クローズドサーキット制度を強制した。その結果、何年にもわたって、競争力を持とうとすらしないチームに視聴者が興味を失っていった。彼らは単にLEC枠を買い取り、将来的に転売して利益を得ようとしているだけに見える。
このような存在は、視聴者にとっても、LECにとっても、Riotにとっても、空間の無駄でしかない。
今の時代、人々は共感できるものを応援したいと思っている。だからこそ、サッカーやバスケットボールのファンは自分の街や地域を応援するのだ。そこにはライバル意識、緊張感、そして観戦する興奮が生まれる。
LoLにおいても、ついにそれが見え始めている。フランス人は自国のチームを応援し、スペイン人も同様だ。ポーランドリーグに至っては、視聴者数が1100%増加した。自分の地域を応援したいという意志が強く反映された結果である。
もしRiotがオープンサーキット制を導入し、イギリス、ドイツ、イタリア、あるいは他のEU諸国からもチームが昇格できるようにしていたら、視聴者数は大幅に増えていたであろう。自然な成長や「シンデレラストーリー」が生まれやすくなるだけでなく、自国のチームを応援できることで、G2対FNCシリーズを見るときだけ一時的に視聴するのではなく、長期的に関心を持ってもらえる可能性が高まる。
昇格と降格は、ヨーロッパのスポーツ界において非常に重要な文化であり、長く支持されてきた。それがあるからこそ、下位リーグのチームにも熱心なファンが何千人も存在し、地元チームの成功を願うのだ。
好きな配信者のチームがERLの最下層から始まり、Worldsまで到達できるかもしれないという夢は、自分をそのシーンに引き留め、経済的支援さえしたくなるほどの動機になる。
反応まとめ
💬 eスポーツチームが従来のスポーツチームより苦戦している理由が、まさにこれである。中堅レベルの伝統的スポーツチームは、地元コミュニティによる支援や利便性からくる応援により、安定したファンベースを築いてきた。
eスポーツでは、ほとんど常に「その地域の強いチームを応援する」傾向がある。地域的なつながりがないなら、上手い選手がいるチームや見ていて面白いチームを応援する方が自然である。
以前、Leenaが「TSMがスプリットを優勝するとユニフォームの売上が爆発的に増える」と言っていた。一方で、LCSで中堅チームが優勝しても、売上はそこまで伸びなかった。
Riotとそのパートナーは今、ようやく学び始めている。LCKではすでにホームグラウンドの導入が試されている。KCの成功は良い教訓になった。今後、LECのチームも各国にローカライズされていく方向になると予想している。
💬 だからKOIやKCのように「配信者頼りの人気」と批判されるのは的外れである。
まず、この2チームはすでにそのフェーズを超えて成長している。そして、彼らの中心人物たちは、地元都市がファンにとって意味を持つのと同じような存在感を持っている。
さらに賢いチーム(少なくともIbaiのような人間が率いる場合)は、その周囲に複数の人気者やストーリーを築いて、まるで「生きたコミュニティ」としてチームを育てていく。
KOIの現ロスターは特に好例だ。スペイン人で構成されたカリスマ性のある良い選手たち、さらにJojoもいる。これを維持するのは簡単ではないが、正しい道だと思う。
おそらく間違っていないと思うが、KOIはこのロスターを長期的に育てていく方針のように見える。T1スタイルだ。選手として、チームとして、そしてブランドとしてのポテンシャルがあると判断しているのだろう。
これは大きな成功である。多くのチームは、選手に魅力がないとすぐ見切りをつけてしまう。だが、本来なら彼らを魅力ある集団に育てる努力をし、その過程をマーケティング的なストーリーとして活かすことも可能なはずだ。
💬 LCKで地域制を導入するのは理にかなっている。韓国は国土が狭く、大抵どこへでも3~5時間で移動できる。LECでも、西欧圏に限定すれば成立するかもしれない。
ただ、北米でこの仕組みをどう適用するのかは見当もつかない。常にカリフォルニアや西海岸にチームを置こうとするが、それでは北米の3分の2以上が「地元チーム」を持てないことになる。米国人口の約半分は東部時間帯に住んでいる。
💬 RiotはVCTのスロットについて、短期間の契約しか与えていない。つまり、彼らは過去の失敗から学んでいるということだ。
VCTのTier1制度全体は、2026年シーズンに向けて再交渉される予定で、何もしなかったチームは排除されることになる。
ちなみに、VCTにはTier1とTier2間の昇格制度が存在する。ただ、OWL(Overwatch League)が2017年〜2018年に非常に成功したため、Riotが計画を急いでこの方式を導入したという背景がある。そして数年後、OWLは見る影もなく衰退している。
💬 OWLだけではない。全てのチームがフランチャイズ制を求めていた。というのも、当時の損失額は今よりもずっと大きかったからだ。
💬 eスポーツだけでは稼げない。
💬 人々はこの説が「真実であってほしい」と思っているだけで、実際にそうである証拠はそれほど多くないと思う。
💬 フランチャイズ制は本当に退屈である。トーナメント制や昇格・降格があった頃が懐かしい。
💬 理解していない人も多いようだが、実際の視聴者数はそれほど重要ではない。本当の問題は、eスポーツ視聴者が全くお金を払おうとせず、全て無料で済ませようとする姿勢にある。
💬 どこから収益を得るつもりなのか、自分にもわからない。それこそが本当の問題である。
💬 フランチャイズ制は、そもそもそれがなければ今のLECは存在していなかったという点を忘れてはならない。チームを運営するには、とにかく金がかかる。LECが財政的なブラックホールであることは周知の事実で、トップチームを維持するのにも莫大な金がかかる。
LCKやLPLのトップチームでさえ金食い虫であり、LECのチームが夢見るような規模のグッズ売上やスポンサー契約を持っている。
フランチャイズ制が導入されなければ、資金提供者たちはとっくに手を引いていただろう。LECはNLCレベルのリーグになっていたはずだ。
選手の年俸は年間平均12万ドルに達し、コーチ、設備、機材なども加えれば、LECでチームを1シーズン運営するのに最低でも100万ユーロが必要になる。
フランチャイズ制は、財政支援者に「1シーズンの成績が悪くても破産するようなことはない」という安心感を与える仕組みである。
もしフランチャイズ制を廃止したいなら、LoLリーグの構造そのものを完全に変えなければならない。正直言って、LECにはそれを支えられるファン層が存在しないと思う。
LCKやLPLのように十分な人気とファンベースがあるリーグなら、年間複数大会制にして、順位によって収益が変わるシステムも可能だろう。グッズ、チケット、配信売上などに応じて賞金を設定できる。
チームごとに独自のグッズやイベントを企画して資金を集める方法もある。
つまり、フランチャイズ制には欠点もあるが、それによって「チームを存続させる資金が流入し続ける」という利点もあるのだ。
💬 Reddit民は「フランチャイズ制以前の方が良かった」と言うが、その時代は6つ以上の弱小チームが常に最下位を争っており、毎年のように新興チームと傭兵だらけだったことには触れない。
💬 LECの運営に100万ユーロが必要なのはわかるが、eスポーツはそもそも給料なんてなかった時代にも機能していた。
💬 「チーム運営には大量の資金が必要」とあるが、それはシーンに何千万もの金を流し込んだ結果として膨張しただけではないか。
プロを目指していた人たちは、月800ドルとマウスとキーボードだけでやっていた時代もあった。
💬 LECの財政問題の最大の原因がフランチャイズ制だったとは思わない。ただ、何か問題が起きるたびにそれを全てフランチャイズ制のせいにする風潮がある。
フランチャイズ制以前のLEC(当時はEU LCS)は、視聴者数が悲惨で、関心が低すぎて金が大量に流出していた。その後、制作クオリティなどが大幅に向上し、LECの成長につながった。
実際、フランチャイズ制導入後の方が視聴者数は明らかに増えている。
財政問題の主な原因は、制作費と会場費が現実離れしたレベルまで跳ね上がったことにある。これが、Riotがロードショーを削減した大きな理由の一つである。今では、会場で電球を交換するだけで1万ユーロ請求されるような状況だ。イベント会社が選択肢を持たないことを知っていて、価格を吊り上げている。
もちろん、フランチャイズ制は「チームを応援する楽しみ」や「試合への緊張感」には不向きな面もある。だが、LECや他リーグで何かあるたびに、その全てをフランチャイズ制のせいにするのは間違っている。
今や何か問題が起きると、とりあえずフランチャイズ制が原因とされてしまう。だが、もしそれが廃止されて問題が続けば、次は別の何かがスケープゴートになるだけである。
💬 フランチャイズなんてくたばれ。