WBG vs LNG
GAME1
LNGは1セット目をレッドサイドからスタートするという攻めた選択。ヨネとオーロラをバンしたが、3番目のバンではジャングルの1ティアであるスカーナーではなく、Lightのエズを警戒するバンを見せた。
試合開始から3分でボトムでノクターンがファーストブラッドを取ると同時に、一時的にポーズがかかった。原因は機器のトラブルと思われる。その後、ポーズが解除されて2対2の交換が行われたが、序盤の戦闘の影響でレネクトンの成長が遅れてしまう。その後、ナーがレネクトンをソロキルしたことで、トップレーンの構図が完全に崩壊した。
レネクトンの力を実質的に失ったLNGは、戦闘を躊躇してしまう。その間にWBGが次々と有利を取り続けた。LNGが4ドラゴンを防ぐためにドラゴン側で迷っている間に、WBGはバロンラッシュを成功。ゴールド差が一気に逆転した。最終的に31分頃、ボットでLNGが敵を捕まえようとするも、Lightの止まらないダメージにより一気に壊滅し、0‐5エースで完敗。1セット目はWBGが手にした。
WBGの構成の良さが光った試合だと言える。LNGがノクターンとアーリを中心にしたダイブ+スノーボール型の構成を組むと、WBGはそれに対して、フロントのスカーナーを確保。その後はレーンの主導権を意識したピックを見せた。これにより、序盤の優位性をもとに混戦を誘導するLNGの勝利プランは完全に崩れてしまった。
逆にLNGはなぜレッドサイドを選んだのか、理由を証明できなかった。序盤のレーンスワップ失敗やZikaの連続デス、成長の遅れにより中盤の力を失い、構成の強みが薄れてしまった。途中の戦闘で追いつくシーンも見られたが、WBGの4ドラゴン対策に集中しすぎてバロンをフリーで渡してしまい、全ての主導権を失い、ゲームは完全に崩壊した。
GAME2
今回はLNGがブルーサイドを選択。WBGがヨネを開けると、LNGはジャックス-セジュアニ-ヨネで堅固な上半身構成を組んだ。対するWBGは、LCSからヒントを得たのか、ジャングルにサプライズピックとしてアムムを投入した。
序盤のファイトからLNGが優勢。Zikaのジャックスが伸びを見せる。最初のタワーが破壊される頃には、トップだけで2,000ゴールド差がつき、1セット目とは正反対の展開となっていた。
しかし、非常に有利な状況にもかかわらず、LNGはバロンベイトも行わず、ゴールド差を広げずに時間を浪費してしまう。その結果、33分ごろ、WBGがギリギリのところでバロンを抑え、チームファイトで大勝、ゲームの展開が逆転し始める。その後、WBGはボットを押し込み、イネクサスタワーの片割れを壊すほどに迫る。しかし、Scoutの粘り&ZikaのLightに対する飛び込みが刺さったことで、カウンターに成功。逆に攻め込み、トップインヒビとドラゴンソウルを獲得してWBGを追い詰めた。
最終的には、ソウルのパワーでWBGを押し潰し、43分に及ぶ超長期戦の末、LNGがネクサスを破壊。試合を再び振り出しに戻した。
前試合での不振を償うかのように、Zikaが鋭いエンゲージによってWBGを混乱させていた。一方でWBGはBreatheとLightの好調なパフォーマンスをもとに、中盤のバロンファイトで勝利を収め、試合の流れを決定づけようとしたが、ScoutとZikaの奮闘により逆転を許した。
WBGとしては、結局アムムピックが足を引っ張ってしまった。ヨネのパフォーマンスを出し切ったScoutとは対照的に、TarzanはアムムによってLNGの上半身構成をブロックするという役目を果たせなかった。
GAME3
レベル1で最強クラスのアッシュ-ブラウムデュオに対して、LNGが無理に戦いを仕掛けた結果、ファーストブラッドを取られるスタートとなったGAME3。しかしその直後、無理にジャングルに侵入してきたマオカイとブラウムをLNGが撃破し、反撃に成功する。序盤からファイトが勃発しまくった。
LNGはトップにダイブを仕掛けるが、WBGがサポートに駆けつけたことで、チームファイトに発展する。そこでXiaohuが4人に完璧なショックウェーブを決め、WBGが3キルを奪って有利を掴む。その後もLNGの仕掛けをいなし切ったWBG。いつの間にかキルスコアを11対4まで広げることに成功する。
しかし、それでもLNGは攻めを辞めない。トップタワーをプッシュするためにWBGが集まるも、フォーメーションが崩れてしまう。そこでノクターンとカイサがアッシュに飛び込み、WBGのボットデュオを倒すことに成功。さらにバロンを奪い、劣勢だったゲームを逆転させた。
28分頃、LNGがバロンラッシュ、アリスターを囮にしながらバロンを獲得。対して、WBGはドラゴンを取るとともに、ナーにトップレーンの防衛を任せるが、アーリとノクターンが一斉にナーに飛び込み、トップが崩壊。Zikaがボットサイドで注意を引いている間にLNGはトップのインヒビターを破壊し、LNGもドラゴンを獲得。両チームともに3つ目のドラゴンを獲得する状況となった。
4つ目のドラゴンまで待てば不利になると判断したWBGは、バロンに賭ける勝負に出る。するとLNGはバロンの争奪戦ではなく、アーリとノクターンがXiaohuのオリアナを狙う選択を取った。しかし、WBGのアッシュとマオカイのRが刺さり、LNGのテンポが崩れる。キラーヴォイドの遅れが祟り、Xiaohuはゾーニャで耐えきることに成功。さらに、アリスターのフラッシュWQコンボをLightがフラッシュで回避したことで、LNGは自ら不利な構図に飛び込んでしまった形となった。混戦の中、AAを辞めなかったLightによってLNGは次々と倒され、まるで嘘のようにWBGが5対0でチームファイトに大勝。さらにバロンも手に入れたWBGは、そのままミッドを押し切り、瞬く間に逆転勝利を果たした。
WBGのチームファイト設計が見事であり、特に試合を通してキル関与率1位、ダメージ量も全体で2位を達成するほど火力を出しつつ、デスなしで最後の囮プレイまで完璧にこなし、試合の流れを終始掌握していたXiaohuが輝いていた。
GAME4
WBGがまたもヨネをオープン。GAME2での敗因がヨネではなくジャックスであるとWBGは分析したのだろう。WBGはオーロラとジャックスを優先する選択、対してLNGはレネクトンとセジュアニでトップサイドを固めた。そして、LNGはジンとノーチラスを抑え、「トップサイドを任せた!」と言わんばかりの極端なスノーボール型オールAD構成を完成させた。それに対し、WBGはマオカイとラカンでAoECCの構成を仕上げた。
最初のヘラルドファイトで、3対4の状況にもかかわらずLNGが無理に戦いを挑み、WBGが完勝。早くもゲームの流れがWBGに傾く。その後もスノーボールが加速していく。WBGはボットタワーダイブで2対2の交換となったものの、リフトヘラルドとミッドタワーを手にし、さらなる有利を得た。その有利は非常に大きく、19分で5000ゴールド以上の差がついた。
有利を生かして、WBGは25分頃にバロンタッチ。これを止めに来たLNGを撃破し、見事なバロンベイトでバロンも獲得する。バロンバフを使ってミッドをプッシュしていたWBGにLNGが仕掛けたが、オーロラとマオカイのRがガン刺さり、LNGのボットデュオが倒される。テンションが上がったWBGはレネクトンを追撃するが、Scoutはこの隙を見逃さなかった。Scoutのヨネが3人ノックアップと冥封一閃を命中させ、トリプルキルを獲得。はしゃいでいたWBGのコーチ陣も一気に冷静な顔つきになった。
しかし、以前WBG有利の状況。2分後に行われた最後のボットファイトでは、前のファイトがただの一時的な出来事に過ぎなかったかのようだった。WBGはテレポートで入ってきたヨネを真っ先に倒し、5対0のクリーンエースを達成。そのままLNGの本陣に突撃し、ネクサスを破壊して勝利を決めた。
この敗北により、LPLでもヨネをピックして敗北した選手が現れ、これで4大メジャーリーグすべてにヨネの敗北記録が生まれた。また、Xiaohuはこのセットでもデス無しで、キル関与率1位、ダメージ量2位という素晴らしい成績を残した。
WBGが2年連続で4シードから4強進出という快挙を達成、ノックアウトステージ初日から波乱を巻き起こした。確かにWBGはLNGに対して格下と見なされており、直前の試合でもDKとの接戦の末、辛うじて勝ち上がったばかりだった。そんなWBGが、Swissを無敗で抜けたLNGに対して、チームファイトとマクロの両面で圧倒し、最初に4強進出を決めた。
ここまで順風満帆だったLNGだったが、ここで敗退。ロングゲームが多かったこのシリーズにおいて、最後まで集中力を切らさなかったのはWBGの方だっただろう。Bo5はまた違うということをWBGが見せつけた結果になった。