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【悲報】サウジのesports大会の闇…【賞金93億円】

ジャーナリストが指摘するスポーツウォッシング

スポーツウォッシング(sportswashing)は特定の個人・団体・国家がスポーツを利用して、自身のイメージを向上や問題の隠ぺいを図る行為。

引用:wikipedia

サウジアラビアで行われる、esportsW杯。
賞金総額93億円と、esportsファンからすれば開催の嬉しいイベントだ。

しかし、現在この大会が物議を醸している。

esportsジャーナリストであるTtavis氏が、「esportsW杯を取材しない理由」という動画を投稿した。

ざっくり要約

この大会はサウジアラビアによるスポーツウォッシングだ。だから、私はこの大会の取材はしない。
人権侵害や政治問題などへの隠匿の道具として、esportsが使われようとしている。
現在苦しい状況に陥りつつあるesports業界。かといって、甘い話に惑わされてはならない。


(かなり内容を省いているので、気になる方は元動画をご覧ください。)

Travis氏は現在スポンサーを失っており経済的に苦しい状況であるとのこと。
それでも行われたこの声明は非常に意味のあるものだ。

esports不況に陥りつつある中で、このような大会を開いてくれることは非常にありがたいかもしれない。
額だけで見ればMSIやWCSよりも価値があるのかもしれない。
こういったものを受け入れることが生き残るためには必要かもしれないが、そうして残ったesports業界に価値はあるのだろうか。

事例:CSGOでのスポーツウォッシング

サウジアラビアによるスポーツウォッシングは、今に始まった話ではない。
いくつも事例があり、今回は「Gamers8」のCSGOの大会にフォーカスして紹介する。

2023年8月に行われた、Gamers8 CSGO。
賞金総額は1.4億円と破格。13の招待チームと3の予選突破チームの16チームで試合が行われた。
パッと見は素晴らしい大会だが、いくつも問題点があったとも言われている。

・トップティアの参加チームの中に紛れるサウジアラビア所有のチーム。CSGOの国際組織は明らかな縁故主義に対して、何も議論することはなかった。

・会場でイスラエル出身のプレイヤー達が、「生まれがイスラエル」という理由だけで観客からブーイングを浴びせられる。

・不当な罵声に対して公式配信が取った行動は、観客音声のカット。事実をひた隠しにし、公式の主催者やキャスターもそのことについて一切言及することはなかった。

・トーナメントと同時期に、サウジ国境警備隊による虐殺があったとの報告。報告書の記述では、数百人の移民と亡命希望者が、警備隊によって「至近距離」で「女・子供問わず」射殺したとのことだ。

こういった大会の開催がesportsシーンにとって、良いものか悪いものか、簡単に答えは出ないだろう。
LOL esportsは岐路に立たされているのかもしれない。

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